2026.09.01
ゾーホージャパン株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:マニカンダン・タンガラジ、以下「ゾーホージャパン」)は、勤務先で生成AI・クラウドサービスの選定、導入、管理、セキュリティのいずれかに関与し、かつ勤務先でAIを利用している、従業員30名以上の企業に勤務する社員515名を対象に、「企業のAIガバナンスと“信頼できるAI”の実装に関する実態調査 2026」を実施しました。
調査の結果、回答者の79.2%が、AI・クラウドサービスの選定において「データの保管先を把握・管理できること」を「非常に重要」または「重要」と回答しました。一方、その重要性を認識している回答者のうち、自社データの保管状況について、「保存先の国・地域まで把握し、必要に応じて指定できる」と回答した割合は12.5%にとどまりました。
また、AIの利用履歴や操作内容を全社的に確認できると回答した割合も8.9%でした。これらの結果から、AIガバナンスの重要性への認識が広がる一方、データの保管先の管理やAI利用状況の可視化、監査・統制といった実際の管理体制にはギャップがあることがうかがえます。
生成AIの業務利用が広がるなか、企業にはAIを「利用できる環境」を整えるだけでなく、どのAIサービスが利用されているのか、どのようなデータが処理されているのか、そのデータがどこで保管され、誰がアクセスできるのかを把握・管理することが求められています。
一方、生成AIの利用範囲が広がるほど、従業員が会社の管理外でAIサービスを利用するシャドーAIや、AIによる処理内容・利用履歴を十分に追跡できないといったガバナンス上の課題も生じます。
本調査では、企業における生成AI活用の現状を踏まえ、AIの利用ルール、データ管理、利用状況の可視化、監査・統制、サービス選定時の評価基準などについて調査しました。調査結果からは、AIガバナンスの重要性に対する認識と、実際の管理体制の整備状況との間にギャップがあることが浮かび上がりました。
AIを活用・管理するうえでの問題・懸念事項を尋ねたところ、「AIの利用ルールや社内ガイドラインが十分に整備されていない」が39.8%で、最も多い回答となりました。
この結果も含め、今回の調査では、利用ルール、データの保管先の管理、AI利用状況の可視化、監査・統制など、AIを組織として管理するための課題が複数確認されました。
主な調査結果は、以下の3点です。
ポイント1:AIガバナンス、重要性の認識と実装に大きなギャップ
AI・クラウドサービスの選定において、「データの保管先を把握・管理できること」をどの程度重要と考えるか尋ねたところ、回答者の79.2%が「非常に重要」または「重要」と回答しました。
一方、この79.2%にあたる回答者408名を対象に、勤務先における自社データの保管状況について尋ねたところ、「保存先の国・地域まで把握し、必要に応じて指定できる」と回答した割合は12.5%にとどまりました。また、「保存先の国・地域は把握しているが、指定はできない」と回答した割合は36.8%でした。
この結果から、データの保管先を把握・管理することを重要と考える回答者が多い一方、重要と回答した層でも、自社データの保管状況について「保存先の国・地域まで把握し、必要に応じて指定できる」との回答は12.5%にとどまることが分かりました。
ポイント2:AI利用の可視化に課題、シャドーAIの詳細把握、利用履歴の全社確認はいずれも1割未満
従業員が会社の承認・管理外で利用する、いわゆるシャドーAIについて、勤務先で「利用サービス・利用者・用途まで把握している」と回答した割合は9.5%でした。
また、AIの利用履歴や操作内容について、「全社的に確認できる」と回答した割合も8.9%にとどまりました。一方、「必要だが、確認できていない」と回答した割合は39.0%でした。
これらの結果から、誰がどのAIサービスを利用しているのか、AI上でどのような操作・処理が行われているのかという双方について、組織として十分に可視化・追跡できていない状況がうかがえます。
ポイント3:AI選定では、機能・性能に加えて信頼性・ガバナンスも重要な評価軸に
今後、勤務先で生成AI・クラウドサービスを選定する際に重視すべき項目を尋ねたところ(最大3つまで選択する形式)、「セキュリティ認証・法規制対応」が38.6%で最も高い結果となりました。
続いて、「アクセス権限管理・監査ログ」が25.2%、「機能・性能」が23.9%、「データがAI学習に利用されないこと」が22.9%、「既存業務システムとの連携」が22.7%となりました。
この結果から、AI・クラウドサービスの選定においては、機能や性能だけでなく、セキュリティ、法規制への対応、監査可能性、データの取り扱い方針といった信頼性・ガバナンスに関する要素も重要な評価軸となっていることが分かります。
今回の調査では、AI・クラウドサービスを業務で活用するうえで、データの保管先を把握・管理することの重要性を認識する回答者が多い一方、実際に自社データの保存先の国・地域まで把握し、必要に応じて指定できる割合は限定的でした。
また、シャドーAIの把握やAI利用履歴の確認についても、組織としてAIの利用状況を十分に可視化・追跡できていない実態がうかがえます。
こうした結果から、企業におけるAI活用では、AIを導入・利用することに加え、データがどこで管理されているのか、誰がどのAIを利用しているのか、どのような処理が行われたのかを把握し、必要に応じて監査・統制できる環境を整備することが課題の一つになっていると考えられます。
今後のAIガバナンスを考えるうえでの論点 ― ソブリンAI
こうしたAIガバナンス上の課題を考えるうえで、今後の論点の一つとなるのがソブリンAIです。
ソブリンAIには一律の定義はありませんが、企業がAIを活用するうえでは、単にデータをどこに保管するかというデータ所在地の問題にとどまらず、AI活用に必要なデータ、AIモデル、インフラ、ガバナンスについて、企業自身がどこまで主体的に把握・管理できるかという観点が重要になります。
今回の調査で確認されたデータの保管先の管理、AI利用状況の把握、利用履歴の確認、セキュリティ・法規制への対応といった課題を踏まえると、企業が今後AIガバナンスのあり方を検討する際には、AI活用に関わるデータや利用環境をどこまで自社の方針に基づいて管理・統制できるかという観点も、検討テーマの一つになると考えられます。
本調査で「ソブリンAI」という考え方を知っているか尋ねたところ、「検討テーマとして認識している」との回答が39.0%、「すでに方針や取り組みに反映している」が9.9%となった一方、「初めて聞いた」との回答も27.6%でした。
調査結果
Zohoは、サードパーティーのトラッカーを利用せず、ユーザーデータを外部に販売しない方針のもと、データ保護と機密保持を重視しています。ユーザーのデータが適切に管理され、安心して製品をご利用いただける環境の提供に努めています。
Zoho Corporationは多数の製品を提供する世界的ソフトウェア企業の一つです。営業、マーケティング、顧客サポート、会計、バックオフィス業務に加え、生産性向上やコラボレーションを含むほぼ全ての主要業務分野をカバーする60以上のアプリケーションを提供しています。
Zohoは収益性の高い非公開企業であり、その従業員数は19,000名を超えます。本社をインドに置き、日本、アメリカ、中国、シンガポール、メキシコ、オーストラリア、オランダ、アラブ首長国連邦に拠点を展開しています。日本では、ゾーホージャパン株式会社がみなとみらい(神奈川県横浜市)、東京都(港区)、大阪府(大阪市)、静岡県にオフィスを2拠点(静岡市、榛原郡川根本町)置き、製品の販売およびサポートを行っています。
Zohoはお客さまの個人情報保護を非常に重視しており、無料の製品を含め、いかなる事業にも広告による収益モデルを採用していません。現在、Zoho自身を含む100万社を超える企業・組織において、世界中で1億5,000万人を超えるユーザーがZohoのクラウド型ソリューションを利用しています。Zohoの詳細についてはwww.zoho.com/jpをご覧ください。
【別紙】調査結果詳細
※一部設問では、有効回答数が異なります。各設問の有効回答数は設問ごとに記載しています。
※構成比(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。